ベルナルド・ベルトルッチ(伊)映画監督(Bernardo Bertolucci 1941年〜)

10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル [DVD]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%83%E3%83%81

殺し(1962)/ 革命前夜(1964)/ 暗殺のオペラ(1970)/ 暗殺の森 (1970)
ラストタンゴ・イン・パリ(1972)/ 1900年(1976)/ ルナ(1979)/ ある愚か者の悲劇(1981)
ラストエンペラー(1987)/ シェルタリング・スカイ(1990)/ リトル・ブッダ(1993)
魅せられて(1996)/ シャンドライの恋(1999) / 10ミニッツ・オールダー(イデアの森 The Cello) (2002)
ドリーマーズ The Dreamers (2003)


パゾリーニ関係で話しが出たついで。最近どうしたのかなと思っていたところ。
「ラスト・エンペラー」で皆が英語をしゃべるというだけでかなりの違和感(監督のやり方に)を抱いてからシェルタリング・スカイ以降ちゃんと観てないけど。
ある意味、こういうことにこだわるのは無粋ではないかと、今観るとよいところが楽しめそうな気はしますが。
(カメラはヴィットリオ・ストラーロで気持ちよかったと思う)


無粋なこだわり?に関して

1.「地獄の黙示録」(コッポラ)は、史実(ヴェトナム側の現実)に全く即していない(だからだめよ)。
2.ゴダールいわく「シンドラーのリストガス室のシャワーでの描写にしろ許しがたい。


1と2は似ているようで根本的なところで違う気がします。


1については創作されたものを考えるときに有効かもしれないです。
コッポラはもともと「ヴェトナム戦争」を(歴史的)リアルに描こうと思っていなかったのではないか、あえていうならああいう状況下での「狂気」に焦点を当てたのではないかと。そこに全力集中した結果、ヴェトナム側を”軽んじている”という見方をされるに至ったと。
こういう場合において、作り手が意図してないことを論ずるのは既に”空間の取り方”を間違えているのではないか。。
少なくともこの映画は素晴らしい”映画”の佇まいを呈していると思う。
個人的にはワルキューレのシーンとサーフィン命軍曹は(主役にして欲しいくらい)最高に好き。


シンドラーは未見ですが、もし戦争を真剣に扱っている映画であるなら、
ゴダールはきっといい加減な(時代)考証に憤りを感じたのではないかと。


個人的には、いまは映画も何でも楽しめればいいなと思っているので「ラスト・エンペラー」も英語をしゃべる中国人をみながら楽しめるとは思いますが。。
”意図””根本”のところで安易なのはやはりそれが作り手の力量ではないかと。


ベルトルッチから思いついて話がそれました。。。
個人的に”これぞ映画”というのは暗殺シリーズ、1900、タンゴ、ルナあたり。


「1900」は5時間!くらいの壮大イタリア農村抒情詩(実はここでも英語だったかな^^;
美味しいところ盛りだくさんですが、農村地帯を極めて美しく撮るストラーロのカメラが素晴らしい。


「タンゴ」は確かマーロン・ブランドのたるんだおなかが見れる!というのは置いといて、ルナ同様、情欲だとか相姦だとかテーマがあって私の大好き特別映画に入ってないのですが。。。


「暗殺のオペラ」は、タイトルがいい!m(__)m
http://www.allcinema.net/をみると
幻想小説の奇才ボルヘスの迷宮の世界(原作は『裏切り者と英雄のテーマ』)を製作時の“政治の季節”に合わせ、伊戦後史知的総括作品。全篇にだまし絵的視覚遊戯を散りばめ、青年が反ファシズムと言われた父の死の謎を解明しに、田舎村を訪れる旅を、ベルトリッチ一流のオペラ的要素を根底にすえて鮮やかに描き出す。
そんな話しだったのか。。全然覚えてない(T_T)


で、一番すきなのは「暗殺の森」。ストラーロのカメラが最高度に作品と一体化した美しさで、(以下allcinema引用)欧州の退廃を描き、ヴィスコンティの「地獄に堕ちた勇者ども」と並び傑出、雪の森での暗殺シーンなど映画史に残る美しさだ。(その通り!
ユーザーコメントをみるとなにやら難しいですが、雪のシーン(これだけ覚えているくらいで・・)をはじめとして単純に美しいの珠玉の名品。


実は、「10ミニッツ・オールダー」が一番気になるところだけどいい作品になっているのだろうか。。


ベルトルッチって言わないでベルトリッチて言いがちだな〜と思って、エルンスト・ルビッチ(ドイツのどえらい監督)を思い出したのでいつか声援を送ってみる。