ピエル・パオロ・パゾリーニ (伊)

Pier Paolo Pasolini (1922年3月5日-1975年11月2日)映画監督、詩人、小説家。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BE%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B
http://en.wikipedia.org/wiki/Pier_Paolo_Pasolini

パゾリーニ・コレクション ソドムの市 (オリジナル全長版) [DVD]

死に方からして壮絶な人である。畳の上で死ぬとか、長生きするような人ではなかったが。。
テーマも映画メディアにおいては1,2を争う強烈な監督ではなかったかしら。
『ソドムの市』が、多分、一番有名。
原作は、マルキ・ド・サド『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』うぎゃあ(*_*;


で、奇跡の丘 (1964年)を観た。(なに?
マタイ伝に基づくイエスの誕生から復活まで。
主観性・(アメリカ的)ドラマ性なくひたすら史実(?)に忠実な姿勢。
たたみかけるキリストの発言連続の場面など人によっては感動するかもしれない。
特に映画スクリーン大写しキリストだと。。この発言など選ばれているものは
パゾリーニの主観であるとも勿論いえる。(マタイ伝でのイエス発言を全て入れたとは思えないけど詳しく知らないのでなんともいえない)


基本的にこの人は映像に凝る人ではないと思うが、文句のつけようのない(テーマに沿った)色彩と構図で、彼のこだわるテーマに集中はできる。(理解しているかは別だけど)


音楽は、(勿論)バッハのマタイと他、モーツァルトプロコフィエフウェーベルン
プロコフィエフエイゼンシュタインとの「アレクサンドル・ネフスキー
エイゼンシュタインをどれだけ意識したか個人的には興味あるところ。
そして彼らしいところで黒人歌、労働歌(社会主義的でキリスト教徒だったらしい、ほんとか)を効果的に使用。 
バッハ、特にマタイ(ヨハネ)等を使用するときには映画監督は並々ならぬ決意だか思い入れを持って臨む気がする。(タルコフスキーブレッソン等、偉大な人の、特に遺作に多い)


ロッセリーニブレッソン同様、俳優も素人ばかり、この点は既成概念のできた俳優を使わないのは個人的に大好き。よい監督は演出でよいものを充分作れる。


個人的に感動したとしたら、イエスの死と復活において母マリアの表情を捉えた所。
しかしながらパゾリーニはここでも母の悲しみの声は入れていない。(素晴らしい(T_T)
ここで泣かせのために巧妙に何やらしていたら、わたしは泣いたと思うけど(↑当然しない)。
私的なところでイエスというよりは、パゾリーニの死を知って悲しむ母という勝手な思いがよぎった為だと思うけど。(概して筆者は子供物より老人物には弱いのである)


基本的にイタリア・レアリズモのながれの映画で、個人的には好きではないけど流石に映画言語を押さえてよくできている。
なにか好きなテーマがあれば観る価値はあるかもしれない。


以下過去みたもの


ロゴパグ (1963年) オムニバス作品 ゴダールロッセリーニなどあったかな。
それぞれおもしろかった。 パゾリーニのものは忘れた。


アポロンの地獄 (1967年) 西洋史にはずせない「オイディプス王」の話し。


テオレマ (1968年) 面白かったがと思うが。。忘れた。。
ブルジョワ家族にある男乱入でどうしたこうしただったかな。ラストは弱い感じだった。


豚小屋 (1969年) 未見 既にタイトルからして強烈そうである。人が、人に”食われる”、ぶたに”食われる”二つの話を融合させるらしい。


王女メディア (1970年) マリア・カラス主演、発狂物にぴったりの役どころではないか。



はまぞうパゾリーニ検索で各映画の田中氏解説で大体映画の雰囲気は伝わる感じがいたします。
ソドムの市とか観たいと思わないだろうなあの解説ぶり。^^;